岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所で起きた海底トンネル事故で、工事会社の鹿島が、掘削工事で海水が異常に出水した際の避難対策を施していないことが分かった。鹿島は「(今回の掘削工事で採用した)シールド工法ではこれまで崩落はなく、事故を想定していなかった。出水時に対応した設計もしていなかった」と説明している。倉敷労働基準監督署は、作業員の安全管理に問題がなかったか調べている。 鹿島によると、トンネルを掘りながらコンクリートの壁を造るシールド工法は、掘削先端部が土と接して密閉状態となる。このため、壁面に水がにじむことはあっても、大量の出水は考えられないとしている。シールド工法は東京湾や伊勢湾、英仏間のドーバー海峡などの海底トンネルでも採用され、問題は起きていないと説明している。 今回事故が起きたトンネル構内には、ガスや酸素濃度の検知器が設置されていたが、出水時用の緊急警報装置はなかった