はじめに 最近、中国系の姓を間違えて発音している例を何度か見た。例えば、「任」という姓の人がいて、自分の姓のことを日本語で「ニン」と述べたことがあった。なるほど、「任務(ニンム)」や「責任(セキニン)」のように、日本語では「任」を「ニン」と読むことが多い。だが、姓として読むときは、「ジン」と読むのだ。『史記』を書いた司馬遷が友人に送った手紙に「任(ジン)少卿(ショウケイ)に報ずる書」というものがある。「任少卿」は司馬遷の友人の名前で、「任」が姓で、これを「ジン」と読み慣わす。 この例に限らず、誤った読み方になっている例は少なくない。こういったことを防ぐために、以下で日本語での読み方を気をつけたい中国系の姓を挙げていきたいと思う。 なお、中国系の人名の読み方の一般的なルールについては以前書いた「中国系の人名の日本語での読み方」という文章を参考にされたい。 誤って呉音で読まないようにしたい例