落とし主が見つかったスケッチブックの1ページ。南国の民家のような風景が描かれている=山梨県甲州市で2009年11月26日、中西啓介撮影 山梨県甲州市の路上に20年以上描きためた1冊のスケッチブックが落ちていた。「人生の記録を落とし主に届けたい」。拾い上げた同市教委職員の室伏徹さん(55)の思いを毎日新聞で紹介したところ、28日、持ち主の女性が名乗り出た。室伏さんは「ホッとしました」とスケッチブックを宅配便で発送した。 持ち主は、さいたま市大宮区の無職、切敷徳子さん(75)。20日、女性2人と甲州市勝沼町を訪れ、ブドウ畑の紅葉などのスケッチを楽しんだ。午後3時ごろ、ホテルに向かう際に車のトランクを開けたまま発進。市道に、スケッチブックや画材一式が入った袋を落としたらしい。 スケッチブックには、20年以上をかけて描いた、東北から与論島まで全国各地の26枚の風景画があった。 21日、室伏さんが、