ここ2年、僕は急速な勢いで落語にはまり込んでいる。自分でも驚くぐらいだ。 「落語?……好きな人もいるみたいだねぇ……」という、2年前の僕みたいな人に、いったいどういう経緯で落語に人は凝り出すのかを記録しておきたいと思う。 寄席に行ったこともあったけど…… 僕が20代の頃、落語好きに対して持っていたイメージは以下のようだった。 その熱意がよくわからない 知らない名前をごちゃごちゃ言ってうるさい 談志談志しつこい なんというかジャンルとして「私は文化人だ」と言う香りがきつすぎるような、そんなイメージがあったのだ。同じ印象を持っている人は多いと思う。 末廣亭(新宿にある有名な寄席)に行ったこともあったが、大きく印象は変わらず、そのまま20代、30代を終えた。 「志ん朝」を知る それがある日一変してしまった。 古今亭志ん朝の「品川心中・夢金」を聞いたことだ。 叔父の遺品として転がっていた1枚のCD