福島第一原発の汚染水が海に流出していたことを東京電力が公表していなかった問題で、東電の廃炉責任者は26日、流出元になった排水路の放射性物質の測定データについて随時報告を受けていたことを明らかにした。昨年8月には平時の10倍以上の高濃度を記録したが、公表すべきものとは「思わなかった」という。 東電福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏プレジデントが、高木陽介経済産業副大臣を訪ねてデータの非公表を陳謝。その後、報道陣の取材に応じた。 東電は昨冬、この排水路の濃度が高いと原子力規制委員会に報告、改善を求められた。このため昨年4月から定期的な測定を始め、雨のたびに濃度が高まることを把握しながら公表していなかった。増田氏は、住民の心情への想像力不足を認めた上で、排水の濃度は「(改善の効果を測る)データとしての感覚しかなかった」と話した。