積乱雲による局地的な豪雨に見舞われる京都市街。この日は、比叡山付近で積乱雲が発達し、左京区北部で大雨となった(2021年6月23日、京都市中京区の京都新聞社屋上から北東方向を撮影) 京都市は、全国的に見ても夏の雷が多い。古くから「丹波太郎」「山城次郎」「比叡三郎」と呼んで、突然の雷雨に注意を促している。「積乱雲3兄弟」はそれぞれ、名前の方角から京都をめがけて来襲し、激しい集中豪雨をもたらす。 丹波太郎たちは、真夏の日差しと上空の寒気によって生まれる。まず、強い日射で地面近くの空気が暖められ、上昇気流が発生する。このとき上空に寒気があると、「軽い暖気」と「重い冷気」が激しく対流を起こし、積乱雲の卵ができる。複雑な地形の方が対流は起こりやすいため、丹波太郎の故郷は兵庫県北部の山地、山城次郎は奈良県北部の山地が多い。 なぜ、それぞれ京都市をめがけてくるのか。京都の積乱雲を長年調べている気象予報士