ことの問題は暗く陰鬱で闇が深い。 社会通念と公平と平等が複雑に絡み合い、不祥事として明るみになった。 医師不足問題は「女性差別」を行うことで解決に向かっているのか はじめにーーー 2018年8月、東京医科大学医学部医学科の一般入学試験において、得点の不正操作が行われていたことが判明した。これは、女性受験生および多数回受験生(多浪生)の得点を一律減点し、合格者数に制限をかけていたというものである。 本稿では、このうち特に女性受験生の入試得点に対する減点操作を「女性差別」として捉え、この問題が何に根ざしていたか、また問題発覚から1年余りが過ぎた現在、どのような解決が図られているのかを検討する。 検討の切り口として、差し当たり4つのポイントを挙げたい。 すなわち、「医師養成機関としての大学医学部」「医師養成制度」「入試制度」「医師を取り巻く状況」である。 なぜなら、大学医学部とは単に医学という学