前節ではオブジェクトを作成して使う方法について述べました。あるオブジェクトについてこのような立場をとる人間、オブジェクトをクライアントといいます。クライアントは「顧客」とか「依頼人」という意味です。つまりオブジェクトから見れば「お客」なのです。それ故オブジェクトはクライアントを中心に振舞わなければなりませんし、クライアントとの契約が守れないときはそれなりの対処をしなければいけません (「2. 例外」を参照) この節で解説するのはオブジェクトを定義する方法です。JavaScript についてよく知らない多言語プログラマは「JavaScript はオブジェクトのクライアントとしてはまあまあだが、クラスを定義できないから駄目だ」と言うかもしれません。確かに JavaScript にはクラスを定義するための構文が存在しません。しかしそれは言語が貧弱だからではなく、JavaScript がクラスベー