中国軍部が主導して毎年秋に北京で開催してきた多国間の安全保障対話「香山フォーラム」が、今年は中止されることがわかった。中国軍関係筋が明らかにした。習近平(シーチンピン)指導部が大規模な軍改革を進めており、運営に関わる中国軍直属の研究機関、中国軍事科学院も改革の対象になっていることが背景にあるという。 同フォーラムには毎年、数十カ国の国防・安全保障の担当閣僚や軍高官らが集まり、南シナ海などの安全保障問題やテロ対策について議論している。2006年から2年に1度のペースで開かれ、14年以降は毎年開催されてきた。 シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で2日、同国のウン国防相と会談した中国代表団の何雷団長は、今年ではなく来年の香山フォーラムへの出席を招請していた。(シンガポール=西村大輔)