官僚に政策立案の資格なし 前回はアメリカの高等教育について書いた。今回は趣向をかえて、もうひとつのアメリカの知の柱、シンクタンクについて触れてみたい。 なぜアメリカにはシンクタンクが成立するのだろうか? なぜ有能な人材を引き寄せられるのか? なぜ政策決定に影響力を持ちえるのだろうか? アメリカのシンクタンクにいながら、毎日これらの問いに対して仮説を自分でたてながら検証を重ねている。まだまだ完ぺきな答えを出せてはいないが、今のところの私の分析を述べてみたい。 今回はシンクタンクの設立意義について考えてみる。 アメリカでは、政策の実施に多忙な政府が政策立案を独占していない。別の意味で言えば、強大な許認可権限を持つ政府に政策立案を独り占めにさせないのだ。故に、政策立案過程を、独立した外部のプロ集団に任せるのだ。一方日本では、政策立案はほぼ政府、つまり霞ヶ関が独占している。政府による政策立案独占は