ラトビア共和国はバルト海に面した国だ。国土はおよそ日本の6分の1、公用語はラトビア語で、ロシア語を話す人々も多い。首都は、「バルト海の真珠」と呼ばれる美しい港町、リガ。ここに、オープンソースの総合監視ソフトウェア Zabbixの開発元、Zabbix SIAがある。 「まさか、自分が海外、しかもラトビアで働くことになるとは思ってもみませんでした」 こう打ち明けるのは、Zabbix SIAで働く唯一の日本人エンジニア、ZABBIX-JP代表の寺島広大氏だ。寺島氏はミラクル・リナックスでエンジニアとして働いていたが、2011年4月に同社を退職。その後すぐにラトビアに移住し、Zabbix SIAのエンジニアになった。 ラトビアに転職――実に大胆なキャリアチェンジである。日本人が20人程しかいないという異国の地で、エンジニアとして働くことになった経緯は何だったのだろうか。寺島氏の答えは簡潔である。「