本書は「シリーズ 現代の生態学」の1つとして、淡水生態学におけるフロンティアの研究を1冊にまとめた。淡水生態学については良い教科書が他にいくつも出版されている。淡水生態学の基礎的な内容についてはそれら既刊のものに譲り、本書では、特に近年新しく発見された現象や新規に取り組まれている研究について解説している。淡水生態学で活躍する若手研究者を主要な執筆者とし、彼ら・彼女らが日々取り組んでいる最先端の研究内容をやさしく解説している。淡水生態学の最前線やその将来の方向性を議論しつつ、湖や川の生き物や生態系への親しみや暖かさのある視点を大切にし、淡水生態学の楽しさを次世代に伝えるような教科書にすることを目標にした。 第1章 淡水動物プランクトン種の地理的構造を形成した歴史的プロセス(石田聖二・牧野 渡) 第2章 淡水における空間個体群動態(小関右介) 第3章 環境の変化に対する柔軟な応答:表現型可塑性