年明けに予算案が国会に提出されても、大きく報じられたりはしない。年末の予算編成の際に概要が明らかになっていて、新たな内容は少ないからである。しかし、一つ重要な情報が含まれている。これで緊縮の度合いが確定するのだ。2015年度の年金の特別会計の緊縮は1.6兆円であった。前年度補正0.8兆円、国の一般会計4.4兆円、地方財政1.2兆円と合わせ、8.0兆円となり、前年の3%消費増税に匹敵し、原油安メリットを丸ごと吹っ飛ばす規模に及ぶことが判明した。 ……… 経済運営は、国、地方、社会保険の三部門すべてを見て行うのが基本だ。全体的に管理しなければならないなんて、常識でも分かる話だが、日本は、これがなっていない。財政再建の議論のベースになっている『中長期の経済財政に関する試算』に、社会保険が含まれていない一事をもっても、明らかであろう。 この弊害は甚大だ。日本は、1997年に消費増税を中心とする過激