滋賀県大津市の中学生の「いじめ自殺」をめぐって、大きく学校や教育委員会が揺れている。今週は、滋賀県警の異例の強制捜査が入ったことから、「いじめ自殺」という究極の絶望状態に追い詰められていく中学生の現在に多くの人が関心を寄せている。かつて、私は「明星」「セブンティーン」という10代の中高生の読者に対して、いじめの現在を伝え、またいじめからの脱出を共に考えてきた。これは、約20年前に、数々のいじめ事件の取材や、中高生からの生の声を聞きながら、つくってきた私の見解だ。ツイッターで何回かつぶやいたことを、もう少し連結してまとめて伝えることにしたい。 1986年2月、東京中野富士見中学2年生の鹿川裕文君が「生き地獄」を訴え生命を絶った。彼こそ「葬式ごっこ」の被害者だった。鹿川君が亡くなる直前に「いじめ」に関する私の本を購入していたこともあり、私は当時、中高生が読んでいる雑誌で「絶対に死ぬな」と呼びか