ナス科の植物、ペチュニアが動物の免疫系に似た多種類のタンパク質を使い、受精せずに近親交配を回避しているシステムを解明したと、奈良先端科学技術大学院大の高山誠司教授(細胞間情報学)らが4日、発表した。米ペンシルベニア州立大などとの共同研究で、5日付の米科学誌「サイエンス」に掲載された。 植物の多くは遺伝的な多様性を確保するため、「自己」とそれ以外の「非自己」を識別し、自己の花粉では受精しない性質がある。 高山教授らは、ペチュニアの花粉の多種類のタンパク質がめしべを「非自己」と認識すると、受精を阻害するめしべの毒性タンパク質を解毒し、受精することを発見した。 同じ多種類のタンパク質を持つバラ科でも同様のシステムが存在すると考えられ、リンゴ(バラ科)などを自らの花粉で受精するよう改良すれば果実栽培の促進も期待できるという。 また、動植物が病原菌を認識する免疫反応とも似ていることから、高山教授は「