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2023年3月4日のブックマーク (1件)

  • 17 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム

    見はるかす秋の夕空は古の言葉通りに青々と高く、澄みきった空気を賑わす気の早いカラスの叫びが、程なく訪れる夕暮れの気配を街並に振り撒いている。秋の落日は、これもまた古の言葉だが実に忙しなかった。 「いい住まいじゃないか」 大賀飛駆が家族と暮らす一戸建ての洋式住宅を前に、壱八はそんな陳腐な感想を抱いた。 閑寂だが悄然とはしておらず、高級だが決して豪奢ではない。控え目な気品を持つ白亜の二階建て住宅。さほど暗くもない外の様子に反し、玄関脇には蒼白い玄関灯が灯されていた。来客に備えての配慮だろうか。番犬の一匹がいてもおかしくない広い芝庭に、しかしそれらしき小屋は見当たらなかった。 呼び鈴を押して家人が出るのを待っていると、少しして扉の向こうからばたばたと駆け寄るスリッパの音が聞こえた。間を置かず聞かれたドアの先に、質素な部屋着を纏った小柄な女性の姿があった。彼女が大賀飛駆の母親だろう。すっきりと涼し

    17 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム
    karatte
    karatte 2023/03/04