東北電力管内の電力需給は今冬も厳しさを増しそうだ。 東日本大震災と新潟・福島豪雨で発電所が相次いで停止している中で、冬季は暖房向けと復興の本格化が電力需要を押し上げる。東北電力は発電所の復旧を急いでいるが、今夏に続いて今冬も節電を要請する方針で、東北地方の企業経営にも影響を与えそうだ。 東北電力が今冬に確保できる供給力は1300万キロ・ワットで、昨冬の最大使用電力(1470万キロ・ワット)に対して170万キロ・ワット足りない。7月末の新潟・福島豪雨で被災した水力発電所も停止したままだ。 北海道電力は東北電力に30万キロ・ワットを融通してきたが、冬季に電力使用のピークを迎える。今夏は東北電力に最大170万キロ・ワットを融通した東京電力は6%の供給余力を確保できる見通しだが、今夏並みに融通できるか見通せない。今冬の厳しい需給を見越して東北電力は「自主的な節電を要請したい」(海輪誠社長)との構え