ある出席者の言葉を借りると、記録的なマラソン会議となったユーロ圏首脳会議では、ギリシャのチプラス首相は「磔(はりつけ)」のような責め苦に遭ったという(写真© European Union) ギリシャのアレクシス・チプラス首相とドイツのアンゲラ・メルケル首相は過酷な話し合いを14時間続けた末に、行き詰まったと考えた。 もう妥協の余地はなく、交渉を続ける理由も見当たらなかった。グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)だけが唯一の現実的な選択肢だった。 2人が部屋のドアに向かって歩き始めた時、動いたのはドナルド・トゥスク欧州理事会議長だった。ユーロ圏の歴史に残る分裂の引き金が、疲労と苛立ちによって引かれるのを阻止しようとしたのだ。 「悪いが、この部屋から出すわけにはいかないんだ」。ポーランドの前首相はこう言った。 最後までもめたギリシャ民営化基金 もめていたのは、差し押さえたギリシャの国有資産を裏
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