「木上さんの遺伝子を受け継いだ若い人たちはもちろん、木上さんのような天才アニメーターが亡くなるなんて、日本どころか世界のアニメ界の損失ですよ。可愛がってもらった僕としては、……地獄でした」 そう声を詰まらせたのは、フリーの原画家の奈須川充さん(60)。『らき☆すた』、『けいおん!』や『涼宮ハルヒの憂鬱』のヒットで知られる「京都アニメーション」の取締役だった木上益治(きがみ・よしじ)さん(享年61)のかつての後輩だ。 7月18日、京アニのスタジオにガソリンをまき放火し、36人の犠牲者を出した青葉真司容疑者(41)は、自身も大ヤケドを負い入院中。 その後、意識は回復して話すトレーニングなどを受けているが、3か月がたとうとしている現在、退院や逮捕の見込みはないという。 そんな前代未聞の事件のなかで、とりわけ、その死を惜しまれていたひとりが最年長の木上さん──。 一般的には知られていなかった木上さ