【ソウル西脇真一】北朝鮮が電撃実施した通貨ウォンのデノミネーション(通貨呼称単位の変更)の影響が、韓国の脱北者団体にも及んでいる。金正日(キム・ジョンイル)体制を批判するビラと共に、住民支援のため風船で北朝鮮へ飛ばす予定の貨幣が紙くずと化したためで、その額は計400万ウォン(非公式レートで1200ドル)。団体は「せっかくやりくりして手に入れたのに」と悔しがっている。 自由北韓運動連合(朴相学=パク・サンハク=代表)は04年から風船で北朝鮮に向けて宣伝ビラを飛ばしてきた。同連合は今年から、中国経由で入手した北朝鮮の紙幣をビラにまぜて飛ばしているが、残っている5000ウォン紙幣800枚が、デノミで無価値になった。北朝鮮では一般労働者の月給は旧貨幣で3000ウォン程度とみられている。 朴代表によると、入手経費も入れ同連合の損失は約30万円。「クリスマスに合わせて飛ばす予定だったが中止した。新貨幣