2009年5月20日、チェコのプラハで欧州中国首脳会談が行われることをダライ・ラマ法王は歓迎している。法王はかねてより中国を孤立させたり牽制したりすることには反対しており、むしろ中国を国際社会、特に民主主義社会の表舞台に立たせることの必要性を訴えてこられた。 今回の首脳会談は欧州連合(以下EU)が中国政府とチベット問題に取り組む絶好の機会である。チベット内の情勢は切迫しており一刻の猶予も許されない状況である。現在チベット内のチベット人は文化大革命以来の厳しい抑圧に耐え忍んでいるのである。この数ヶ月間で死刑判決を受けたチベット人の数も増えているが、これはチベットが緊迫した由々しい状況におかれていることを物語っている。 2008年10月31日、ダライ・ラマ法王の特使らによって「全チベット民族が名実共に自治を享受するための草案」が中華人民共和国政府に提出された。この草案は真の自治に関するチベット