三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、傘下の三越と伊勢丹の約300万人のカード会員を中心に、葬祭関連事業を本格展開することが29日分かった。寺院、ホテルなどでの葬儀やお別れの会の仲介と葬祭業者の紹介に加え、有名料理店の仕出しの受注といった百貨店の独自性を出したサービスを提供する。百貨店は慶事など「ハレ」のサービスが主だったが、葬祭事業への参入で高齢層の顧客獲得を目指す。 来年度の早い時期にスタートする。葬祭事業への本格参入は大手百貨店では初めてで、ライバル百貨店の追随も予想される。 三越と伊勢丹はこれまでも、香典返しなどのギフト対応は行っていた。ただ、顧客から「葬儀はやらないのか」という問い合わせが多く、完全子会社のエムアイカードの事業を拡大し、葬祭事業全般を取り扱うことにした。ノウハウを持たない火葬場の手配などは、外部の葬祭業者との提携を視野に入れている。 葬儀をめぐっては、費用の不透明