7月3日の新紙幣流通開始に合わせて退任する現1万円札の福沢諭吉が、来年度発行予定の新紙幣「終身名誉1万円札」の肖像画として再登板することが21日、わかった。留任を求める声が強かったことが主な理由だという。 紙幣の刷新はおよそ20年ごとに行われるが、1984年に1万円札の肖像画に選ばれた福沢諭吉は前回刷新した04年も続投。約40年間にわたって肖像画を務めた。 財務省は19年4月、24年度上期をめどに発行する新紙幣のデザインを公表。新1万円札の肖像画を、福沢から「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一に改めた。 だが公表後、デザインや人選について異論が噴出。特に1万円札の「顔」として広く定着した福沢の降板に対しては、1万円札を「諭吉」と呼ぶことに慣れた中高年世代から「うっかり諭吉呼びをすれば令和世代からバカにされる」と、揶揄におびえる声が多く寄せられた。 福沢が創立した慶応義塾大学出身者