東北大学病院がんセンター・大内憲明センター長、および同病院・濱田庸医員、同医学系研究科・権田幸祐講師らの研究グループは、血管新生の仕組みを世界最高クラスの精度で解析できる光学装置を開発し、独自の虚血モデルマウスを使って、分子レベルで生体観察を行ったことを明らかにした。その結果、血管新生の仕組みとなる血管内皮増殖因子受容体のわずかな発現量の差が持続的な血管新生を誘導するメカニズムを発見。この知見を応用することで、動脈硬化性疾患の新たな治療法の開発につながることが期待されるという。同成果は生命科学分野の学術誌「Blood」(オンライン版)に掲載された。 日本では年間約30万人が、脳梗塞や心筋疾患を含む動脈硬化性疾患で亡くなっており、がんに匹敵する死亡原因となっており、そうした動脈硬化性疾患の治療法開発には、血管新生メカニズムの理解が必須と考えられてきた。 血管新生では、血管内皮増殖因子(Vas