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「ふつうの暮らし」を美学する 家から考える「日常美学」入門 (光文社新書 1317) 作者:青田 麻未光文社Amazon 青田麻未『「ふつうの暮らし」を美学する 家から考える「日常美学」入門』という本が光文社新書から出ました。日常美学という美学の一分野の入門書で、著者はこの分野の第一人者(おそらく日本にひとりしかいない)です。詳しい目次がAmazonから見れるので、興味のある人は見てみるとよいでしょう。 私が宣伝するまでもなく売れてそうだし、内容紹介は著者がすでに書いているため、私はこの本を読む上で知っておくと役立つかもしれないことを書いておこうと思います。 以下、本の要約や感想からかけ離れたことをしばらく書くので、そのつもりで読んでください。日常美学という分野と関係があり、美学者は知っているけれど、この本を読む人はひょっとすると知らないかもしれないことを書きます。 さて、書きたいことは以
明治維新以降、日本の哲学者たちは悩み続けてきた。「言葉」や「身体」、「自然」、「社会・国家」とは何かを考え続けてきた。そんな先人たちの知的格闘の延長線上に、今日の私たちは立っている。『日本哲学入門』では、日本人が何を考えてきたのか、その本質を紹介している。 ※本記事は藤田正勝『日本哲学入門』から抜粋、編集したものです。 「美しい」ってなんですか? 哲学はさまざまな問題を取りあげる。そのテーマをひとまとめにして「真善美」と言われることもある。どれも重要なテーマであるが、そのうちで私たちにとってもっとも身近なのは、やはりなんと言っても「美」であろう。真理とは何かという問題は、長年の研究なしにはすぐには答えられないし、また善の実現は容易ではなく、どこかかなたにあるものという印象が強い。それに対して、美的な感動というのは、どんな人でも経験する。美しく咲き誇る桜の花を前にすれば、万人誰しもその美しさ
美学のアンチノミー およそ「美学」という分野がはっきりとした形を取るのは、近世18世紀のころだとされている。近代の「美学」とそれ以前のあいだには、大きな亀裂があると考えるのが妥当である。アリストテレスの『詩学』は悲劇について論じたものであり、芸術一般を論じたものではない。そもそもギリシアにおいては、詩人の仕事と彫刻家の仕事が共通する芸術という領域の分枝であるという意識は全くなかった。後者は、肉体労働であるから一段卑しいものと観念されていたのである。ブルクハルトは、彫刻の分野が盛期ギリシアの末期になっても、依然としてその輝きを失わなかった理由として、それが精神にとって重要なものとは見なされていなかったことが幸いしたのであろうと考えるほどだ。(それに対して悲劇の方は、アテナイのポリスの政治と精神に深く依拠するものであったため、ポリスの衰退とともに悲劇の精神もまた衰退せざるを得ず、プロポネス戦争
あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひ本の雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。 ドミニク・マカイヴァー・ロペス、ベンス・ナナイ、ニック・リグル 著 森 功次 訳 『なぜ美を気にかけるのか 感性的生活からの哲学入門』 →〈「訳者あとがき」(pdfファイルへのリンク)〉 →〈目次・書誌情報・オンライン書店へのリンクはこちら〉 *サンプル画像はクリックで拡大します。「訳者あとがき」本文はサンプル画像の下に続いています。 訳者あとがき 本書はDominic McIver Lopes, Bence Nanay, Nick Riggle. Aesthetic Life and Why It Matters, Oxford University Press, 2022 の全訳である。 著者の三人とも
『ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在』が出たので、掲載した論考「Jホラーの何が心霊実話なのか?——実話怪談、ドキュメンタリー、心霊写真」の補遺的な話を書く。 ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在 ―伝播する映画の恐怖― 作者:高橋洋,大島清昭,小中千昭,佐々木友輔,田辺青蛙青土社Amazon ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳ももうすぐ出ます。 filmart.co.jp Jホラーと呪われた映像 『ユリイカ』に書いた文章では、「呪われた映像」「心霊映像」がJホラーの重要なモチーフのひとつであるという話を書いた。また、そのモチーフがフェイク・ドキュメンタリー、ファウンド・フッテージ、POVといった手法と相性が良いという点に触れた。このモチーフの一番有名な例は言うまでもなく『リング』の呪いのビデオだが、Jホラーをある程度観たことがある人なら知っているように、「心霊映像
なぜ、本を読むのか? Why do we need to read books なぜ、本を読むのか?本書『読書人カレッジ2022』の執筆者の一人である明石健五は、それを「考えるため」であると言います。 ある未知のものに出会ったとき、そこに驚きと感動が生まれる。そうして、初めて自分なりに思考することができ、それを人に伝えることができるようにもなる。 そういう過程を生きられる人のことを、「知性ある人」というのではないか。では、「知性」を自らのものにするためにはどうすればいいのか。繰り返しになりますが、「読み」「考え」「書く」ことを通してしか感得できないのではないか。 新しい出来事や局面に出会い、答えのない問題を考えることで鍛えられていくものが、確かにある。そういう問題は、すぐれた本の中にいくつも見つけることができます。 繰り返し考えることによって、自分の思考を鍛えていく。それによって、今の世の
著者:ケンダル・ウォルトン翻訳:田村 均出版社:名古屋大学出版会装丁:単行本(514ページ)発売日:2016-05-30 ISBN-10:4815808376 ISBN-13:978-4815808372 内容紹介: ホラー映画を観れば恐怖を覚え、小説を読めば主人公に共感する――しかし、そもそも私たちはなぜ虚構にすぎないものに感情を動かされるのか。絵画、文学、演劇、映画などの芸術作品から日常生活まで、虚構世界が私たちを魅了し、想像や行動を促す原理をトータルに解明するフィクション論の金字塔、待望の邦訳。 現代の美学・芸術哲学を代表する著作 表象/フィクションの問題圏をめぐる活発な論議の呼び水になることを期待本書は英語圏における現代の美学・芸術哲学――いわゆる分析美学――を代表する著作の一つである。それが明快な訳文を通じて日本語に移植されたことは、我が国の美学研究者にとって朗報であるだけでなく
筆者の博士論文を元にした環境美学についての本 英米系環境美学をサーベイし、環境を批評するという観点から「鑑賞対象の選択」と「美的判断の規範性」という2つのテーマで整理している。 元々環境美学のいう環境は、自然環境を意味していたが、その後の発展とともに人工環境も含むようになり、本書でも環境の美的鑑賞・批評の実践例として検討されるのは、観光と居住である。 2章と3章がサーベイ 4章と5章が「鑑賞対象の選択」、6章が「美的判断の規範性」を扱っている 第1章 環境としての世界とその批評−英米系環境美学とはなにか 第1節 美学からの環境へのアプローチ 第2節 英米系環境美学のスタイル 第2章 知識による美的鑑賞の変容−カールソンの環境美学 第1節 ネイチャーライティングと環境批評家 第2節 知識によって支えられる環境批評 第3節 影を潜める主体−カールソンの達成点と問題点 第3章 諸説の再配置−環境
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