2006年東京・小田急線の満員電車内で女子高生(当時17)に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われていた被告の名倉正博・防衛医科大教授(63)の上告審判決で、最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)は14日、懲役1年10月の実刑とした一、二審判決を「被害者の供述は不自然で、信用性に疑いの余地がある」として破棄し、逆転無罪を言い渡した。 最高裁判所第三小法廷は満員電車内の痴漢事件について「客観的な証拠が得られにくく、被害者供述が唯一の証拠である場合が多く、特に慎重な判断が求められる」と指摘した。また、裁判官5人中、3人の多数意見で決まったものであり、2人の裁判長は「女子高生の供述には信用性がある」と反対意見を出していた。 平成18年1審東京地方裁判所は女子高生の供述の信用性を全面的に認め、教授を実刑とした。2審東京高等裁判所は、女子高生が成城学園前駅より前にも痴漢行為を受け、成城学園前駅でいったん