1. 1日の処理量が1000万件にも達する株式売買システムを新たに開発 2. 要件定義書から要素を洗い出したチェックリストを作り,設計書をレビュー 3. 取引結果の書き込み処理時間が想定外の長さ。処理の分散を図って乗り切った 2010年1月4日,稼働を開始したシステムがある。東京証券取引所の株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」だ。「ITエンジニアとして20年以上のキャリアがあるが,こんな“静かな”カットオーバーは初めてだ」。こう語るのは,arrowhead開発プロジェクトのリーダーを務めた,東京証券取引所の宇治浩明氏(IT開発部 株式売買システム部長)である。 開発プロジェクトには,東京証券取引所側から最大で70人,開発ベンダーである富士通側から最大500人が参加。初期投資だけで130億円に上る大規模なプロジェクトである。 arrowheadは,100社ほどの証券会社から