昨日のメーデーの集会の帰りに寄った書店で刺激的で面白い本を見つけた。『バカをつくる学校』(成甲書房)という本で、著者はジョン・テイラー・ガットという、ニューヨーク州で最優秀教師として表彰された人だ。ここではアメリカの義務教育学校が批判されているのだが、その批判がそっくりそのまま日本の学校に当てはまるのを見て驚いた。 僕は、小室直樹氏の指摘によって、戦後民主主義教育の欠陥というものを考えるようになったのだが、それは日本だけの特殊な状況ではなかったのだ。実は、日本が手本にしたアメリカの民主主義教育にそもそも欠陥があったために、その忠実なコピーとしての日本の教育にもそっくりそのまま欠陥が移されてしまったというのが、戦後民主主義教育の正しい理解ではないかと感じた。 ジョン・テイラー・ガットさんの、教師としての体験からくる欠陥の指摘は実に的確で、僕も教育の現場にいてそれを常に感じていたので、この本が