入社して十年目。 中堅となった今、最近ふと気づいたことがある。 それは 「どうも」の汎用性が凄いということ。 例えば、昼休みに給湯室で他の部署の上司とばったり出くわしたとする。 そんなとき、口から自然に出てくるのが「どうも」だ。 電話対応でも、最初は「お世話になっております」で始まるのが基本だけど、相手が「ああ、増田さんですね!」と言ってきた瞬間、急に距離が縮まる。 そうなると、つい「どうも〜」と返してしまう。相手も「どうもどうも」と応じる。 この絶妙な距離感。親しげすぎず、かといってよそよそしくもない。 そして仕事終わり。 帰宅途中にお得意先の担当者と偶然鉢合わせる、なんてことがたまにある。 向こうも「あっ」って顔をして、俺も「あっ」ってなる。 そこで出るのが「どうも」だ。こんばんはだと妙な感じがするし、お疲れ様ですだと会社の空気を引きずりすぎ。 でも「どうも」なら絶妙にちょうどいい。