海面のすぐ下で撮影されたオーシャン・ゲート社の潜水艇タイタン。5名を乗せて水深4000mまで潜水できる。(PHOTOGRAPH BY OCEANGATE EXPEDITIONS) 北大西洋のタイタニック号が沈んでいる場所の近くで、現地時間6月18日の早朝、オーシャン・ゲート社の潜水艇タイタンが行方不明になった。この海域は陸地から遠く、水深は3800mもあり、そして5人の乗員にとって酸素が計96時間(4日間)しかもたないなど、救助を難しくする要因が多い。タイタンからの通信は、潜水を始めてから100分後に途絶えた。 自力で航海できる潜水艦と違って、約6m、重さ10tほどのタイタンは、母船のサポートが必要な潜水艇だ。波の影響がない水深約10mまでは母船とつながったまま沈められ、そこからはバラスト(重り)によって3800mまで沈んでゆく。海底では4つの電動推進機を使って動き回り、母船に戻るときはバ