危険な毒花 常盤とよ子 1957年10月20日 定価280円 刊行者 竹内富子 ㈱三笠書房 写真レイアウト 堀内誠 若い女性が、たった一人、カメラを唯一の武器として、果敢に挑んだ「街の女」の記録と手記! 挿入写真100図 「赤線地帯」のドキュメント 「女同士だからね…」と誰かの声が聞える。けれども、単に女同士だからといつて、彼女たちから見れば、別世界の人間を警戒する本能的な反感がひそんでいることを見逃してはならない。 ―いつも、わたしはスカートをはいて、下駄をつつかけ、カメラを左手に、何気なく、その辺を散歩しているお嬢さんといつた印象を与えるような恰好で、ぶらつと赤線地帯へはいつて行つた 常盤とよ子 著者略歴 昭和五年一月十五日、横浜に生る。神奈川高女卒業後、家政学院に学び、もっぱら花嫁修業に専心し、生花、日本舞踊などをことに好んだ。のち昭和二十六年横浜の写真家奥村泰宏氏にカメラの手引き