「ドナルド・トランプ次期米大統領は、関税について本気なのか?」。この疑問が世界の市場だけでなく、経済全体に広がっている。 トランプ氏はそれほど真剣ではない――。関税については、そうみていた人が多かった。次期政権の財務長官にヘッジファンド投資家のスコット・ベッセント氏を指名したのが、その主な証拠とされた。同氏は関税に関して、他の候補より穏健派と考えられていた。 しかし一夜にして、かなり残酷な現実が明らかになった。トランプ氏は本気だったのだ。しかもまったく予期せぬ行動で、そのことを示した。大統領選の期間中に発した脅しの中で最も非現実的と思われたものを実行に移すと宣言し、メキシコ、カナダ、そして中国をターゲットに選んだのだ。