冬はホラーと決めてるが、夏はやっぱり怪談でしょ。それも「ジャパニーズ・ホラー」として映画になる「真景累ヶ淵」を読む。手軽に涼を得られると期待したが、涼どころか、弱冷房車でもゾクゾクしたぜ。 ■「真景累ヶ淵」(三遊亭円朝) で、結論―― こ、怖ぇ、に、人間がッ―― 死んでも死にきれない怨念が化けて出る話なんだけど、怨霊そのものよりも、そいつに祟られる人間の方が怖い。とり憑かれ、取殺される人は、そうされても文句言えないような悪行を積んでいる。とても分かりやすい因果応報。 ぶっちゃけ、因業は、 の三原色で塗りつぶされている。「あいつを殺して金をいただこう」「あいつの女房が欲しい」「あの娘が妬ましい」きっかけで、簡単に両手を血に染める。その良心のカケラも無さ、あさましさ、畜生っぷりにおののく。 もちろん殊勝なキャラもいる。貞節を守ろうとして体をザク切りされる生娘とか、亭主の仇討ちのため、全てを犠牲
![残酷な因果のテーゼ「真景累ヶ淵」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/15a0200e4e07fe1cc7d1d823a40a067a2f708e51/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffanyv88.com%3A443%2Fhttps%2Fdain.cocolog-nifty.com%2Fmyblog%2Fimages%2Fsugohon.jpg)