各方面から軽減税率が反対される中、財務省が“新たな方式の軽減税率”を提案し(NHK)、自民党の税制調査会も承認したようだ(NHK)。早くも公明党が実は軽減税率ではないと気づいたようだが(読売新聞)、特定品目、つまり外食サービスを含む食料品を対象にした消費税還付制度になっている。払った消費税のうち2%分を一人年額4000円を上限に還付されるそうだ。ある点を除けばそう悪い案ではない。ある点が致命傷な気がするが。 世間では無視されるであろう、新方式の良い点を説明しておこう。軽減税率には色々と問題があるのだが*1、その中で、政府内で検討されているような対象品目では、多かれ少なかれ価格に歪みを与えて同じ税収なのに低い生活満足度をもたらすと言うのが、ラムゼイの最適課税論による教科書的な議論だ*2。スポーツ・ジムで運動した方が健康になれる人が、相対的に価格が安くなった菓子を食べ過ぎてしまう状況を想像して