約46キロに38駅があるヤンゴン環状線は、東京の山手線にたとえられる。ただ、施設や車両の老朽化が激しく、時速15km程度のゆっくりとしたスピードで走る。1周するのに3時間かかる。 列車の間隔が長いので、線路が芋や野菜を売る市場となっている駅もある。この環状線が今、通勤の足として見直されてきている。急速な経済発展により急激に悪化したヤンゴンの道路渋滞に、対応するためだ。 環状線の復権にひと役買っているのは、日本から譲渡された多くの中古気動車だ。JR高山本線を引退したキハ40系などが現役で活躍する。居住性の高い日本の車両は、おおむねミャンマー人の乗客にも好評。車両の随所に「ワンマン」の表示や、禁煙の案内など日本語を残しているのは、日本製であることを強調するためのものだ。「岐阜」や「美濃太田」といった日本の駅名が書かれた運賃表もそのままだ。日本への感謝を示すため、日緬の国旗をあしらったステッカー