ZARAは7月下旬、地球環境に配慮した生地とリサイクル技術の採用などを柱とするサステナビリティー重視の企業戦略を発表した。ファストファッションは捨てられる衣服を増やすとの指摘があるなか、業界大手の同社がどこまで切り込もうとしているのか。 2018年秋のニューヨーク・ファッション・ウイークは、どこを見てもまさにタイダイ(絞り染め)だらけだった。プラダからステラ・マッカートニー、プロエンザ・スクーラーまで、数多くのブランドがタイダイのドレスやTシャツをモデルにまとわせ、ショーの舞台へ送り出していた。 そして19年春。ZARAの店舗の棚には、スパンコールがちりばめられた39.99ドルのタイダイドレスや29.99ドルのタイダイショートパンツが並び始めた。年間売り上げ200億ドルのZARAは、ファストファッションの芸術を開拓し、完璧に磨き上げた。 ただし、ファッション産業がより環境に優しい商慣行へと