大江健三郎の小説は、難解で読みづらい。そのイメージは、かなり多くの人に共有されているように感じます。「いやいや、本当は読みやすいんですよ!」と言いたいところですが、実際、彼の作品がスルスル読み進められるようなものでないことは確かです。 作品ごとに文体はかなり違うのですが(その変化も大江の魅力)、言葉自体に強い物質感があって、飲み込むのに時間がかかる文章であることは共通しています。しかも、他の文学作品や理論書、あるいは自身の過去作品からの引用も非常に多い。まあ、読み応えがありすぎるわけです…。 私がはじめて大江を読もうとする方によくおすすめしているのは、『芽むしり仔撃ち』(左)。みずみずしい文体によって少年の心の動きが生き生きと描き出されています。短篇にも比較的親しみやすい作品が多いので、初期〜後期にわたって全23篇を収録した『大江健三郎自薦短篇』(右)もぜひ。 では、どうしたら挫折せずに、
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