例によって、私が聞いた報告の中から独断と偏見でもっとも面白いと思った報告を選びます。私が聞いていない報告もありますし、聞いていても適切にその価値を判断できない報告もあるので、あくまで私の独断と偏見です。今回私がもっともおもしろいとおもったのは、 敷島千鶴・山形伸二・平石界・安藤寿康「保守主義と認知能力:遺伝要因の媒介効果と調整効果の検討」 です。一卵性双生児と二卵性双生児の保守主義と認知能力(頭の良さのようなもの。IQなどで測られる)を調べ、両者がどの程度遺伝的に決定されており、両者にどの程度相関があり、相関があるならばその相関はどの程度、遺伝、環境要因によって作られているかを研究しています。結果として保守主義は60パーセント、認知能力は70パーセント程度が遺伝によって決定され、残りは双子が共有していない環境要因によって決まっているという結果でした。これが本当なら親の育て方は子供のIQにあ