アメ横の地下を散策していたら、見慣れないフォルムのバナナに遭遇した。どっしりと短く、怪獣の爪を思わせる。 緑色の調理用バナナは、近所のスーパーでも見かけたことがあるが、このタイプを見るのは初めてだ。果たしてどんな味がするのだろう?一房買って食べてみた。 件のバナナがこちら。房は短く太く、どっしりとしている。バナナの世界のお相撲さんという印象だ。 スーパーに売っているいつものバナナと並べてみた。同じフルーツと呼んでいいのか不安になるほど違う。これなら、梨と林檎の方がまだ近い。 このバナナを買ったアメ横の地下街は圏外で、スマートフォンは使えず、日本語を話さない店員さんも多い。「どうやって食べるんですか」と訊く勇気も出ぬまま買ってきてしまった。一房600円だった。 このバナナが何者かを知る手がかりは、掠れたシールだけだ。おそらく産地であろう「PHILIPPINE」と、「ラニーバナナ