ブラジル軍事政権下での人道犯罪を調べる政府の「真実委員会」は11日までに、第2次世界大戦中や戦後に軍政が日本人移民や日系人を迫害したことを認め、謝罪した。有力紙グロボ(電子版)が伝えた。 10日に行われた聴聞会で同委員会の調査担当者は、日系社会に対し「ブラジル国民を代表して謝罪する」と表明。「背景に人種差別があった」と指摘した。過去に軍政下での人道犯罪が調査されたことはなく、政府側が公の場で謝罪するのは初めてとみられる。 国粋主義的な政策を取った第1次バルガス軍事政権(1930~45年)は、日本語教育や家庭外での日本語使用を禁止し、移民に対する不当逮捕や拷問も横行。強制収容や資産没収も行われ、戦後長期間、返還されなかった。犯罪行為が証明されても訴追できず、政府による補償も行われない可能性が高い。(共同)