日本は伝統的に世界で最も厳しい軍備輸出政策を維持しており、(例外はあるものの)この国の防衛企業や公的機関は他国への軍備の輸出のみならず寄贈さえも妨げてきました(それでも近年は規制緩和や政策・指針の変更により輸出活動は活発し始めています)。 ウクライナへの軍事支援を妨げる事態を回避するために、日本政府が防衛装備の移転に関する独自のガイドラインに変更を加えたという事実は極めて例外的なものと言わざるを得ないでしょう。 結果的に非殺傷型の装備の供与にとどまりましたが、戦乱の最中にあるウクライナへ軍需品を供給するという動きは第二次世界大戦後における日本の現代史では前例がありません(注:ベトナム戦争頃まで、日本は砲弾を含めた弾薬類及び被服などを含む備品を主にアメリカ軍経由で法に明記されていない紛争当事国に供給した事例はあります。しかし、今回のようにダイレクトに供給したことは初めてです)。