元来は、三味線と共に歌われる俗曲で、音曲師が寄席や座敷などで演じる出し物であった。 主として男女の恋愛を題材として扱ったため情歌とも呼ばれる。 七・七・七・五の音数律に従うのが基本だが、五字冠りと呼ばれる五・七・七・七・五という形式もある。 惚れて通えば 千里も一里 逢えずに帰れば また千里(作者不詳) 三千世界の 鴉を殺し ぬしと朝寝(添い寝)が してみたい(桂小五郎作、高杉晋作作等、諸説あり) 立てば芍薬 坐れば牡丹 歩く姿は 百合の花(作者不詳) 逢うて別れて 別れて逢うて(泣くも笑うもあとやさき) 末は野の風 秋の風 一期一会の 別れかな(井伊直弼 茶湯一会集) 岡惚れ三年 本惚れ三月 思い遂げたは 三分間(作者不詳) 戀という字を 分析すれば 愛し愛しと いう心(作者不詳、戀<恋の旧字体>の書き方を歌ったもの) 恋し恋しと 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす(作者不詳) 人の恋