「なぜ人を殺してはいけないか」と問う人がいたら、「あなたは何を聞きたいのか」と問い返せば良いと思う。たいてい、何か思うところが胸にあってそれを相手に問わせる…自分の言いたいことが先にあってそれを相手に問わせる、そのきっかけづくりとしての問いかけだろうと思うからだ。だから、この種の質問者には自分で答えさせたほうが、話が早いだろう。 自分や自分の大切な人を殺されたくないと思う人がほとんどなのだから、いつどこの世にも「人を殺してはならぬ」という約束事が原則として定められる。およそ原則に例外は付き物だ。「人を殺すことはいけない」というのも原則として定められているわけで、当然に例外規定もある。いかなる例外も認めないというのは絶対禁忌と呼ばれるもので、原則禁止とは極めて異質なものである。例外を認めることと、例外を認めないことの間には、ものの考え方として大きな隔たりがある。 価値評価ではなく、ごくごく事
介護問題から募金問題になり民主主義理念の問題になり死刑制度問題が出てホームレス問題に及ぶ。「できないのと、しないのとは、違うでしょう」という観点から広がったもので、いづれも「それをしなかったことは人殺しと言えるか」が論点の基調になっている。もちろん、そうやっていろいろ広がっていくことは、今件のような話題の場合には避けられないだろうし、広がった先々で別の人が語り合いながら考えるのは悪いことではなかろう。その一方で、「話がどんどん広がってしまって元の話がどこかへ行ってしまっている」という声がある。私もそう思う。そこで、私はあくまで元の話に白黒をつけたい。他の関連話題は、その後にすることとする。 元の話は倫理の話として出されていたものだ。この段階では介護問題である。「できないのと、しないのとは、違うだろう」という問いかけも、「しようと思えばできることをしないのは、しようとしないということだ。それ
私もえらそーに、このブログでいろいろなことについて批判記事を書いたりしているわけですが、批判記事を書くことと、実際に行動することは全くの別問題で、そのあたり自分で情けなくなってしまうこともあります。 以前、携帯電話についてのマナーのについて、記事を書いたこともありますが、実際マナー違反をしている人間に、面と向かって注意できるかというと何もできないわけで、我ながら口だけかと反省してしまいます。 電車等の公共交通機関での携帯電話のマナーは、正直相当に高まっていると思います。要するに大きな声で電話をしている人なんてほとんど見かけないということですが、声に出して話さなくても、「メール」という他人に迷惑をかけないツールがあるからというのが大きな理由かもしれません。優先席付近の電源切りがちゃんと行われているかどうかは不明ですが・・・。 ところで、私が遭遇する、電車内で平気で携帯電話でしゃべっている人の
小国綾子「あなたは今、孤独ですか。 哲学者、鷲田清一・大阪大副学長」http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070418dde012100021000c.html 「国連児童基金」による国際調査で「「孤独を感じる」と答えた15歳」の率が日本は世界でも「ダントツ」だったことを承けての鷲田清一氏へのインタヴュー。 なお、この調査については、張江洋直氏*1が既に言及している。また、http://d.hatena.ne.jp/iera/20070214/p1やhttp://d.hatena.ne.jp/kaerudayo/20070216#p2でも。 鷲田さんは、 孤独って感じるもの。一人の時に『私は私』と思うか、仲間外れにされたと思うか。日本の子は孤独というより、人から見捨てられることに弱くて敏感。孤独は英語でソリチュード(solitu
日経新聞の中村編集員が、「首都圏を直撃する『介護危機』」(http://www.nikkei.co.jp/neteye5/asakawa/index.html)で首都圏の介護労働者の賃金を引き上げるべきだと主張されています。 「高齢者の中でも、介護サービスの必要度が高くなる高齢単独世帯の2015年までの伸び率を見ていくと、同様に埼玉(75%)、千葉(65%)、神奈川(55%)の3県の伸び率がベスト3で、全国平均の36%を大幅に上回る。それにより、同年の高齢単独世帯は、東京都の60万世帯をトップに、大阪、神奈川、愛知、埼玉、千葉と続く。」 「 高齢者の大都市への集中が急激に進む。これまでの高齢者問題は、過疎地を含む地方の課題であった。それが完全に逆転して首都圏と大阪、愛知の都会型に変わっていく。かつて若者が地方から首都圏に集まり、そのまま年を取れば、当然ながら首都圏での高齢化は進み、地方での
【写真】「加害者も犠牲者も極楽往生」 韓国、中央日報の日本語版の(写真)記事です。 米バージニア工科大銃乱射事件の犠牲者のための33の灯りがソウル曹渓寺(チョゲサ)の大雄殿前にかけられた。灯りは死者の極楽往生を祈るもの。犠牲者らの名前と犯人チョ・スンヒ容疑者の名前も見える。 33個の石 関連記事(中央日報) 「私たちが先にスンヒに手を差し伸べていれば」 −−チョ・スンヒに手紙を書いた理由は。 2日前にもここへ来たが、特にスンヒの追慕石だけさびしそうだった。「スンヒも加害者と同時に犠牲者」という気がした。彼にも私たちのような魂がある。母にも相談したが同意してくれた。それで昨日、手紙を書いてここに置いた。今日来てみたら手紙や花がたくさん置かれていてうれしかった」 −−犯人の銃で死んだ人々と犯人をまったく同じように追慕することはいきすぎだという批判はないか。 「泥沼にはまって『助けてくれ』と叫ん
発端。「「本当は、できるでしょう?」の原初的風景」@G★RDIASより。 たとえば、私がコンビニで200円のおやつを買おうとするという状況を想定する。/目の前に、募金箱がある。そこには「アフガニスタンの人達は、4人家族で200円あれば1日暮らしていける」と書かれてある。/それでも、その文字が目に入りながらも、私はおやつを買うとする。/このときに、私が「募金できない」と言うのは端的に誤っている、ということである。ただ単に私は「募金しない」だけである。/仮に、その200円がないために、アフガニスタンの家族がその1日を生き延びられず、死んだとしよう。すると、事実として「間接的ではあろうが、私は人殺しである」と言えよう。/私は、そういうことを「まずは」嘘をつつみ隠すことなく言おう、と提起している。/これは、「正論の倫理学」なら主張するであろう、「その200円を募金すべきだ」という主張とは全く違う。
【写真】「加害者も犠牲者も極楽往生」 韓国、中央日報の日本語版の(写真)記事です。 米バージニア工科大銃乱射事件の犠牲者のための33の灯りがソウル曹渓寺(チョゲサ)の大雄殿前にかけられた。灯りは死者の極楽往生を祈るもの。犠牲者らの名前と犯人チョ・スンヒ容疑者の名前も見える。 33個の石 関連記事(中央日報) 「私たちが先にスンヒに手を差し伸べていれば」 −−チョ・スンヒに手紙を書いた理由は。 2日前にもここへ来たが、特にスンヒの追慕石だけさびしそうだった。「スンヒも加害者と同時に犠牲者」という気がした。彼にも私たちのような魂がある。母にも相談したが同意してくれた。それで昨日、手紙を書いてここに置いた。今日来てみたら手紙や花がたくさん置かれていてうれしかった」 −−犯人の銃で死んだ人々と犯人をまったく同じように追慕することはいきすぎだという批判はないか。 「泥沼にはまって『助けてくれ』と叫ん
Amazonマイストア 鈴木先生 3 越境の時 イッツ・オンリー・トーク 沖で待つ 星新一:一〇〇一話をつくった人 表現のための実践ロイヤル英文法 知識の哲学 ロボットの心 猛スピードで母は デカルト―「われ思う」のは誰か これが現象学だ 縷々日記 その名にちなんで 停電の夜に 高校生のときだったか、大学に入ってからだったか、よく覚えていないのだけれど、ともかく若い頃に読んだドストエフスキーの『悪霊』のなかでいちばん印象に残っている登場人物は、かなり最初のほうに登場するシガリョフという男だ。 とは言っても、焼き付いているのはシガリョフの語る思想であって、その人物像はまったく覚えていない。たぶんほとんど描かれていなかったと思う。それどころか、語るのはシガリョフ自身ではなくて、その従者がご主人様の思想を紹介する、というような設定ではなか
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