大河ドラマ原作『西郷どん!』なぜ林真理子は人間・西郷隆盛の執筆に挑んだのか?気鋭のジャーナリスト速水健朗が迫る 西郷隆盛の生涯を描いた『西郷どん!』の大河ドラマ化が決定し、2018年1月から放送を控えている作家・林真理子さん。三度の結婚、二度にわたる島流しなど、波乱万丈な生涯を送りながらも明治維新を成し遂げた西郷隆盛の人間的な魅力と高い理想から激動の幕末を描いた本作。雑誌の連載中から「今まで誰も描かなかった西郷隆盛像」と話題の作品について、ジャーナリストの速水健朗さんがじっくりと話を聞きました。 ──西郷隆盛って、おなじみのようでいて謎が多い存在ですよね。そもそもどうして林さんが興味を持たれたのか気になります。 4年前に『正妻 慶喜と美賀子』という作品で徳川慶喜を書いたのですが、これが非常に楽しかったんです。それで気持ちが高ぶっていたら、(歴史学者の)磯田道史先生が「西郷隆盛について書いて