金価格が足元で大きく下落している。ドルベースの金価格は長期的な波動でみると、1980年9月の高値から下落し、1999年7月に底値を形成後、2005年頃から明確な上昇に転じていた。近年の高値は1,791ドル/トロイオンス(2012年10月4日、ロンドン市場)であったが、最近では1,380ドル(4月16日、同)と高値から23%の下落を示した。 長期的にみた金価格の水準は、一般物価との相対比較で、すなわち実質価格でみた方がより金投資ブームの程度を測ることができるだろう。図は金価格を米国の消費物価指数(1982-84年基準、米労働省)で割って、1982-84年基準価格でみた金の実質価格を示したものである。これをみると、イラン革命やソ連によるアフガン侵攻を背景に原油価格の高騰、インフレの高進が目立った第二次オイルショックの1980年頃と、昨年の水準を比較すると大きくは違わない姿がみえてくる。昨年の金