→紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 本書は1988年に発表されたウンベルト・エーコの長編第二作である。 17年前、邦訳が出た直後に読みかけたが、夜の博物館の中をうろうろする条で放りだしてしまった。次から次へと出てくる展示物が意味ありげで、いちいち考えていたらなにがなんだかわからなくなったのである。 『バウドリーノ』が訳されたのを機にもう一度チャレンジしてみることにした。今回は振り子を発明したレオン・フーコーの伝記をはじめとする科学史関係の本を読み、準備万端整えたつもりだ。 結果からいうとレオン・フーコーも科学史も関係なかった。科学史関係の話柄が出てくるのは最初の50ページだけで、あとの千ページ以上はオカルトと陰謀史観の話なのである。オカルトと陰謀史観なら昔とった杵柄で、どうということはない。 澁澤達彦の『秘密結社の手帖』や映画になった『ダ・ヴィンチ・コード』でおなじみのテンプル騎士