日本は成長の時代を終え、成熟の時代に入ったと言われている。しかし最近、それはウソだということに気づいた。僕たち年寄りがよく知らないだけで、じつは若い起業家が続々と登場していて、新しい付加価値を生むビジネスが展開されているのだ。 若者世代の起業家といえば堀江貴文、というイメージはすでに古い。いま活躍している起業家たちの多くは80年前後生まれで、堀江より一回り近く若い。いわば、“ポスト・ホリエモン”世代だ。 彼らの活躍に触れる前に、日本経済について振り返っておきたい。 かつて日本にも高度成長の時代があった。日本企業がつくる製品は品質に優れて壊れにくく、世界中で飛ぶように売れた。1990年の日本の国際競争力は世界第1位だ。 ところが91年、冷戦の終わりとほぼ同時にバブルが弾けて、日本は一転して不況になった。企業は業績を悪化させて、リストラや倒産が相次いだ。それに対して政治も効果的な手を打てなかっ