このページの本文へ

グーグル、量子チップ技術革新 スパコンで100垓年かかる計算を5分で実行

2024年12月10日 13時50分更新

文● G. Raymond 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 量子コンピューターの世界で驚異的な技術革新が起きた。

 グーグルは現地時間12月9日、最新の量子コンピューターチップ「Willow」を発表した。105個の量子ビットを搭載し、世界最速級のスーパーコンピューター「Frontier」で100垓年(10の25乗)かかる計算を、わずか5分で実行できる性能を達成したという。

 これは、2019年に同社が発表した量子優位性の実証(従来型スーパーコンピューターの1万年分の計算を3分で実行)をさらに上回る、大幅な進歩となる。

 Willowのもっとも重要な技術的発展は、量子ビットにおける性能向上だ。従来の「Sycamore」チップと比べて、量子状態を保持できる時間(T1時間)が5倍の約100マイクロ秒まで改善された上、エラー率も約2分の1に減っているという。

 Willowの開発を進めたGoogle Quantum AIチームを率いているHartmut Neven氏は、Willowの技術が将来的に新薬開発、核融合エネルギー、バッテリー設計などの実用的な問題解決に貢献すると述べている。ただし、実用的な量子コンピューター実現には今後も時間を要し、商用化はまだしばらく先になる見通しだ。

 

■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン