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【開幕】「瑞祥のかたち」皇居三の丸尚蔵館で3月2日まで 岩佐又兵衛、若冲、大観らが描く「おめでたい」かたち

江崎栄造《宝船「長崎丸」》 大正5年(1916) 皇居三の丸尚蔵館収蔵 

1月4日から3月2日まで皇居三の丸尚蔵館(東京・千代田)で「瑞祥ずいしょうのかたち」展が開催されています。メディア内覧会を取材しました。
岩佐又兵衛が描いた大きな亀の甲羅の上に乗る蓬莱山(《小栗判官絵巻》)、伊藤若冲が描いた大画面の《旭日鳳凰図》、横山大観の《日出処日本》など、皇室伝来のおめでたいモチーフの名品の数々が一堂に会します。

岩佐又兵衛《小栗判官絵巻》巻八上 江戸時代(17世紀)皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:1月4日~2月2日、後期(2月4日~3月2日)は巻八下
岩佐又兵衛《小栗判官絵巻》巻八上 (部分)
伊藤若冲《旭日鳳凰図》 江戸時代・宝暦5(1755)年 皇居三の丸尚蔵館収蔵 展示期間:1月4日~2月2日、後期(2月4日~3月2日)は国宝 伊藤若冲《動植綵絵 老松白鳳図》明和3年(1766)頃 皇居三の丸尚蔵館収蔵
横山大観《日出処日本》 昭和15(1940)年 皇居三の丸尚蔵館収蔵 通期展示

また会場は宝船から始まり蓬莱山(富士山)を目指す旅も味わえます。(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)

瑞祥のかたち
会場:皇居三の丸尚蔵館(東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内)
会期:2025年1月4日(土)~3月2日(日)
(前期:1/4~2/2、後期:2/4~3/2)
休館日:月曜日(ただし2月24日は開館し、翌火曜日休館)、2月23日(天皇誕生日)
※その他諸事情により臨時休館の場合あり
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※毎週金曜・土曜は夜間開館。午後8時まで開館。(最終入館は午後7時30分まで)
※ただし2月28日(金)を除く
料金:一般 1,000円、大学生 500円
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上は無料。入館時に年齢のわかるもの
(生徒手帳、運転免許証、マイナンバーカードなど)を要提示
※障がい者手帳をお持ちの方およびその介護者1名は無料(予約不要)
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
皇居三の丸尚蔵館ウェブサイト公式Instagram

プレビュー記事

2025年1月4日から、皇居三の丸尚蔵館にて「瑞祥ずいしょうのかたち」が開催されます。本展では、皇室伝来の書跡・絵画・工芸品の中から、蓬莱山や霊峰・富士、松や鶴、亀、宝船に霊獣といった「おめでたい」モチーフの数々が一堂に会する、新たな年の幕開けにふさわしい縁起物の美を堪能できる展覧会です。

展覧会の概要

本展では、めでたいことの訪れを告げる、「瑞祥」の造形美をご紹介します。

新しい年の到来を喜び、人生の節目に幸福を願う気持ちは、古くからさまざまな造形にたくされてきました。なかでも、古代中国において不老不死の仙人が住むと考えられた蓬莱山ほうらいさんは、日本では吉祥図として描かれ、長寿を象徴する鶴と亀が添えられた島台などの縁起物としても表されました。やがて理想郷としての蓬莱山への憧れは、霊峰・富士の姿に重ねられていきます。

また鳳凰ほうおうは、優れた天子が世に現れる兆しとして古代中国で尊ばれた伝説の鳥です。わが国では、古くより鳳凰は高貴さの象徴として絵画や工芸に取り込まれ、皇室ゆかりの品々には数多く登場します。そして麒麟きりん唐獅子からじしも空想上の霊獣ですが、威厳のある凛としたその姿は、泰平の願いをこめて表現されてきました。

主な展示作品

上記で紹介した作品以外にも、おめでたい作品が続々登場。伊藤若冲から横山大観まで、江戸時代から近代にかけて活躍した作家による日本美術の名品が、新年を華やかに彩ります。

新年を迎えるおめでたい作品が揃った本展は、まさに「美術館初め」にぴったり。1年の幸せを願いながら、新年のひとときを皇居三の丸尚蔵館で過ごしてみるのも良さそうです。