2019-01-29

実在人物の美形化について

私の曾祖母はあることを成し遂げた人でドラマ化もしたことがある。私が産まれる前の話しだ。

祖母は醜いと言われて育ったそうだ。顔も整った造形ではなく肌も浅黒く骨も太かった。嫁の貰い手があるのか心配され、顔を補うためにと料理裁縫をみっちり仕込まれ、でもあることへの才能が開花し、その道に全ての情熱を捧げる生き方をした人だ。

祖父はそんな曾祖母の才能や情熱に惚れ込み結婚した。曾祖父も小柄で気弱そうな人で美男子では全くなかった。

そんな曾祖母と曾祖父物語ドラマが私の母が子供の頃に作られた。曾祖母と曾祖父の役はとても美しい女優ハンサム俳優が演じた。

テレビではドラマを見て「○○(曾祖父名前)が羨ましいって嫉妬したけど実物の写真見たらほっとした」「結婚しようと思ったことを尊敬した」という芸能人たちの会話も堂々と笑い話として流れていたと聞いた。

祖母は深く傷ついたという。容姿のハンデを努力と才能と情熱で乗り越えた人の、その最も根深過酷で深い差別を跳ね除けて誇り高く生きた女性を、そのドラマは美形化することで侮辱した。

私は曾祖母によく似てるようだ。幼い頃からブスと罵られることを何度も体験してきた。ほんの少しでもマシな顔だったらと何度思ったかからない。

容姿への差別自分にとって人種差別より女性差別よりもずっと身近で現在進行形で当たり前のように存在している。

そして、朝ドラなど実在人物ドラマ化する度に思う。なぜ美形化するのかと。

黒人偉人白人が演じたらどうだろうか。あきらかに顔で差別を受けただろう人を、何か利を得たことがなかっただろう人を、美形化することはこの根深差別助長する行為じゃないだろうか。

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